第2章 ホグワーツ入学
中に入ると、大勢が四つの長いテーブルに分けて座っていて、拍手をしてくれる。
「あの天井には魔法がかけられているのよ。私本で見たもの。」
ハーマイオニーがそう教えてくれた。ハーマイオニーは既に魔法をいくつか使えるらしい。
「それでは組み決めをします。最初に………」
椅子の上には大人サイズの古びた帽子が置いてあった。ダンブルドア先生の部屋に置いてあった帽子だ。
「次、ハリー・ポッター。」
ハリーの名前が呼ばれると、辺りが静かになった。皆固唾をのんでどの組になるのか見守っている。見ると、マクゴナガル先生もダンブルドア先生も身を乗り出して様子を伺っている。
「グリフィンドール!!!!!!」
途端にグリフィンドール席から歓声が起こった。ほかの組は悔しそうにしている。
「次イヴ・ケイン。」
やっと私の番が来た。少し緊張しながら帽子を手に取る。ふと顔を上げると、ダンブルドア先生と目が合った。にっこりと微笑んでいる。私も笑い返した。そしてハグリットがいるのに気づき手を振る。ハグリットは手を振り返してくれたが何故だかすごく不安そう。
「ミスケイン。早く帽子を被って座りなさい。」
マクゴナガル先生に注意されて慌てて帽子を被る。
『久しぶりに被ってくれたのイヴ。寂しかったぞ。お前さんももう組決めの日が来たか。』
「ごめんね。あの後、マクゴナガル先生に怒られちゃって。もうそんなことしないって約束させられたの。」
『そうか。さてどうしようかの。頭は良い、勇気もある、自分の才能を使いたいという欲もある。んー迷うなー。素晴らしい才能、素晴らしい能力。素晴らしい家柄。やはり家柄の方を優先すべきか?んーだがしかし、それだけで決めるのは惜しい気もする。希望はあるか?』
「希望?んー、じゃあスリザリン!」
『ほう。お前さんの前のこはスリザリンは嫌と言いおった。』
「ハリー?そうなんだー。だからグリフィンドールか。」
『やはり血は争えんか』
「血?」
『では、スリザリン!!』
私は帽子を下ろして、歓声のなかマクゴナガル先生を見た。先生はなんとも言えない顔をしていた。驚きと失望と悲しみの顔。私は不安になって、ハグリットを見た。ハグリットは泣きそうな顔をしていた。怖くなってダンブルドア先生を見た。先生はただ静かに拍手をしていた。顔はいつもの大好きな笑顔じゃなかった。