第2章 再会
「ありがとうございました」
取材は名前を間違えず、無事に終わった
「櫻庭さん」
4人が部屋を出たところで、名前を呼ばれた。振り返ると目の前に櫻井さんが立っていた
「どうされました?」
翔
「勘違いじゃなければなんだけど、一度会ったことありますよね」
「えっと…どちらで?」
私もなんとなく気付いていた。声だけでなく匂いも、初めてではないと思っていた
翔
「ビルの屋上で」
やっぱりそうだ。この時私の疑いは、確信に変わった
「あの時はありがとうございました。そしてすいませんでした」
あの時助けてくれなければ、今の自分はいない。そして仕事が楽しいなんて思えなかった。感謝しても足りないくらい、櫻井さんには感謝をしている
翔
「謝らないでください。俺が勝手にしたことなので。ここで会ったのは何かの縁。ということで連絡先、交換しませんか?」
トップアイドルの連絡先を私が持ってていいのだろうか。流出してしまっては大変だし…
「私の連絡先が名刺に載ってます。もし何かありましたら、そちらに連絡ください」
きっとこれが一番良い、解決方法かもしれない
翔
「わかりました。では、本日はありがとうございました」
「こちらこそありがとうございました」
私がそう言うと櫻井さんは笑顔で、部屋を出た