第2章 再会
明日は休みだし、残っている仕事もないので今日は早く帰れた。なので自宅近くのコンビニに寄っていた
「いらっしゃいませ」
店員さんの高い声が聞こえる。私はそれを聞き流し、お酒を手に取り弁当コーナーに行く
「「あ」」
私がいつも食べてる弁当を取ろうとすると、男の人と手が重なった
「すいません。どうぞ」
私は譲った。そんなに食べたい訳じゃないし
「……」
男の人は頷いた。きっとお礼だろう。でもお礼の言葉も話さないとは、かなり人と話すのが苦手なのか!?
私が買い物を終え、外へ出ると弁当を譲った男の人がいた。私はその人の横を通って帰ろうとすると、腕を掴まれた
「どうされました?」
「俺。忘れちゃいました?」
その声は櫻井さんだった
「いえ、忘れてはいませんけど…」
翔
「ここのコンビニ、家から近いんですか?」
それ、個人情報だと思うんだけんどな
「はい、まぁ」
翔
「じゃあ、送りますよ」
「ご遠慮しておきます。写真に撮られて無いことを書かれても、嫌でしょうし」
翔
「でも女の人を1人で歩かせるの危ないですし」
いや、今の時間は午後6時。7月の6時なので、まだ明るいですよ?
翔
「それに俺が送りたいから送らせてください」
櫻井さんがジッと私の目を見てくる。私は諦め「わかりました」と返事をした
翔
「じゃあ、送っていきますね!家はどちらの方向に?」
「右です」
やっと家の方向に歩きだせた