過去と、今と、未来の狭間で【進撃の巨人 エルヴィン R18】
第2章 良い夢(R18)
「・・・・出すぞっ!」
予想以上に早く高まった欲望をエルヴィンはナナシの中に
吐き出した。
ナナシが酸素を欲するように口をパクパクさせながら
痙攣している様を脳裏に焼き付けるように、
エルヴィンはナナシを見つめる。
エルヴィンとしても観察する余裕は微塵も無かったが、
ここで見ておかないと絶対後悔すると思ったのだ。
先程ナナシが言った「身体がそんなに保たない」という言葉が
頭を掠める。
もしかしたら本当にこれで最後なのかもしれない。
それならば、この思い出をいつでも思い出せるように
頭に叩き込んでおきたかった。
ナナシが受け入れてくれた『今』を・・・・っ!!
「ナナシ・・・愛してる。愛しているよっ!」
エルヴィンがそう零すと、ナナシはエルヴィンの頬に手を添えながら
掠れた声で言った。
「私も・・・・私も、エルヴィンを愛してる」
その言葉を聞いた瞬間、エルヴィンは泣きたくなった。
今まで「嫌いではない」という言葉が精々で、ナナシから
「好きだ」とか「愛している」などという言葉は終ぞ聞いた事が
無かったからだ。
しかも、ナナシはちゃんと『エルヴィン・スミス』を見ている。
前のように『ソロモン団長』の影を重ねていなかった事が、
心が震えるほど嬉しかった。