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狐薊❪信長協奏曲❫

第3章 兄弟



何時の間にか閉じていた目を開く
変わらずに見えるのは恒興ちゃんの背中だけだ
何時も隣に居たのに気付かなかった
こんなに背中広かったなんて
不意に馬のスピードが上がる
ひっ、と情けない声が上がった
どうやら殿と別れてもう一人の男を追っているらしい
恒興ちゃんは私が居るのを忘れたみたいにぐんぐんとスピードを上げる
がたがたと馬が足を動かす度に腰が浮いた
…ケツ痛い
よりいっそう恒興ちゃんにしがみつく手の力を込めた

「大丈夫」

小さく呟かれたその言葉にひどく安心して
この温もりをもっと感じたくて
今のこの状況も忘れて目を瞑りそっと背中に唇を寄せた
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