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狐薊❪信長協奏曲❫

第3章 兄弟



悠々と歩く馬に乗った彼らの後ろ姿を見る

「やはり信行様でしたか」

予想してたような彼の言葉に一瞬首を傾げるがすぐにそうだったと納得いく
今でこそ殿大好きな恒興ちゃんだけれど前に一度殿を叩き切ろうとしてたんだ
そしてその後ろ盾が、信行さん…
全てが面白いくらいに繋がっている

「どう致しまするか」

恒興ちゃんの言葉に顔を上げる
城に戻りますか、とあくまで一旦城に戻る事を勧めるらしい

「追うよ」

シンプルな答えにやっぱりね、と溜息をつく暇もなく馬が走り出す
ぐんっ、と突然の圧力に小さく声が出た

「つ、恒興ちゃ、」
「舌噛まぬように」

それだけを言われて私はただ目の前の背中にしがみついて口を閉じるしか出来なかった
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