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狐薊❪信長協奏曲❫

第4章 竹



「村の…」

帰蝶が小さく呟いたのに顔を上げる
ここからは見えないが木の上からは何か見えているのだろう

「…何やってんだろね。行ってみよっか」

軽いノリでサブローがそう言って恒興ちゃんを呼んだ

「帰蝶が滑ったらちゃんと支えてね」

私と恒興ちゃんが冷や汗を流しながら帰蝶さんが木から降りるのを見る、という何とも言えない瞬間を過ごして
木の上から見えたという、何かも何処かも知りはしないけれどそこへと向かうことになった
馬にまたがろうとする恒興ちゃんの着物の裾を掴む

「…何で馬乗るの」

サブローと帰蝶さんは既に馬に跨っている
乗っていくのは分かる
分かるけれど

「歩いて行けるじゃん!?」

私の心からの叫びは恒興ちゃんの力の前には意味をなさなかった…
何でこんなに力あるのかな!
筋肉なさそうな見た目してんのに!!
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