第3章 兄弟
「殿、かわゆいお花が」
「帰蝶さん、こっちには猫がいます!」
帰蝶さんとサブローのデートに無理矢理着いて行った私と恒興ちゃん
最早着いていくというよりは邪魔している気がするのだけれどデートの定義を知らない帰蝶さんはただ楽しそうに微笑んだ
きゃあ、かわゆい
「ねぇ…普通デートって二人でするものだよね?」
常に帰蝶さんの隣をキープする私を牽制するように殿が言った
「いいじゃないですか、ダブルデートです」
すり、と帰蝶さんに少しだけ擦り寄る
途端にサブローが嫌そうに眉を潜めた
「この場合宮ちゃんの相手は恒ちゃんだよね??帰蝶だったら俺の相手が恒ちゃんになっちゃうじゃんか」
ぎゃーぎゃーと何が楽しいのか喧しいサブローに耳を塞ぐ
「しっかたないなぁ、恒興ちゃんで我慢するよ。帰蝶さんがいいんですけどね!!」
巫山戯て恒興ちゃんの腕を取ればそれは見事に無視された
「殿、そんなよく分からない事はいいですから!」
説教モード…
長くなりそうだ
猫の鳴き声が聞こえた気がして振り返る
そこに帰蝶さんは居なかった