第3章 兄弟
信パパと信秀さんを呼ぶサブローに頭が痛い
サブローといると頭痛が酷いのはもう慣れた
まぁ…信秀さんはそんなサブローを気に入ってるらしいからいいんだろうけど
「…恒興ちゃん…」
信秀さんの話し中におかわりなんてするサブローに流石に心配になった
信秀さん、顔怖いから
「……」
黙っていろ、と目で伝えられる
はい、すいませんでした
厠へ行く信秀さんを見送って暫しの沈黙
それを破ったのはサブローだった
「お前が俺を殺そうとした信行か」
自然と恒興ちゃんと目が合った
何か仕掛けてくるなんて馬鹿なことはしないだろうけど万が一、というのもある
だがそれも杞憂だったらしい
惚けるだけで怪しい動きはない
息を吐く
まぁ後ろを流れる空気は随分と重たいのだけれど