第1章 タイムスリップ
そんな会話をしたのが三日前だったか
それから熱が出て寝込んだ大将は今朝方やっと熱が下がった所で
額の布を変える度に、食事を運ぶ度に彼は申し訳なさそうな顔をした
大将なのだから
お殿様なのだから
堂々としたらいいのに
まぁそこが大将らしいんだけど
「常興ちゃん、そう思わない?」
昼でもなく夕刻というほど日も暮れていない
間の時間
大将の乳兄弟の池田恒興と共に大将の部屋へと向かう最中
であった頃からの変わらない私の大将愛を語りまくっていた
こんな事言えるのなんて常興ちゃんしかいない
「……」
まぁ彼は呆れたような顔でまたか、と溜息をつくだけなんだけれど
「はーあ、そんな話してたら信長さんに会いたくなってきた。先行くよ」
もう目の前なのに小走りで向かう
常興ちゃんの表情は見てないけど簡単に想像できる
愛かな