第1章 タイムスリップ
「おはようございまーす、信長さん」
朝早く起きるのも慣れた
私達の大将を起こしに行くのも慣れた
大将がいるこの世界にも慣れた
まぁ、起こしに行く前に大抵彼は起きているのだけれど
「おはよう、宮…何時も有難うな」
僅かに咳き込み苦しそうな笑みを浮かべた大将に思わず眉をひそめた
「大将!大丈夫ですか!」
慌てて彼に駆け寄れば予想通りに大丈夫だと告げられた
全く、無理をするんだから
「そんなに心配せんで平気じゃよ」
「何を言ってるんです!!信長さんの心配をするのは当たり前でしょう!」
「…そうかの」
「そうなんです!」
ぐいっ、と身を乗り出して言えば綺麗な苦笑が帰ってきた
「程々にな」
程々の心配って一体何ですかね!?