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狐薊❪信長協奏曲❫

第2章 殿



魚を捕ったサブローが帰蝶さんにその魚を自慢げに見せる
きゃっきゃうふふ、といった表現がそのまんま合うような仲睦ましい様子に思わず目を細めた
一瞬確かに彼らが本物の夫婦なんだと錯覚してしまう

「宮ー、見て!魚!」

突然話し掛けられ思わず慌てた

「み、見てますよ!たぃ…殿!」

大将と言い掛けて驚いた
別に似た行動をしたわけでもないのに
大将は大将でサブローはサブローなのに
訳が分からなくてぐるぐると思考を巡らせていると更に訳が分からなくなる事が起こった
誰かに腕を引かれる
振り返るよりも早くに倒された
ごろん、という、効果音が聞こえそうなほどに綺麗に後ろへ転んだ

「った」

頭をぶつけはしなかったけれど痛みに悶える

「うわっ、ちょっ!恒ちゃん!?」

サブローの声に顔を上げると今まさに襲われようとしていた
しかも、恒興ちゃんに

「た、大将!?」

今度は言い直す事は出来なかった
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