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〜Lemon Candy Story〜

第11章 -恋心-(及川徹)[後編]


それから、ちゃんとアップをして、
第三体育館へ戻った。


あ…。


第3セットは烏野がリードしていた。


「アララ〜。
ピンチじゃないですか?」


及川のお気楽な声に
少し厳しい表情の
入畑監督が振り向いた。


「…アップは?」


「バッチリです!」


入畑監督にまで、
いつものスマイルでこたえる。



ピーーーーーーッ



及川は国見と交代し、
ピンサーとしてコートに出た。



「いくら攻撃力が高くてもさ…
その”攻撃”まで繋げなきゃ
意味無いんだよ?」


そう言った及川は、
烏野のメガネのコを指差し…
いつも通りの強烈なサーブを放った。


「…うん。
やっぱり。途中見てたけど…
6番の君と5番の君、
レシーブ苦手でしょ?1年生かな?」


そういえば、セッターも
及川がわざわざ指名したんだっけ…


及川…性格わっる〜。


って、その性格悪い人に
告白したのは…わたしだった。


わたしは苦笑いをしながら、
そのやり取りを聞くしかなかった。


その後も相変わらずのコントロールで
及川のサーブだけで、1点差になった。



はぁ…やっぱりスゴイ…。



今度はつい見惚れてしまった。




でも、最後…
あの小っちゃいコのすごいブロード…
及川も反応できず…




第3セットは烏野が獲り…
2-1で青城は負けた。




「すみれちゃーーん!」


…っ⁈


澤村のトコに行こうとしてたら、
大きな声で及川に呼ばれ、
抱き締められた。


公衆の面前で…。


「ちょっ⁈及川…‼︎はなしてっ‼︎」


「なんでー⁇いいじゃん!
付き合ってるんだし♡」


「「「「えーーーー⁈」」」」


体育館中がざわついた。


…っ⁈
なんでこんなトコで言っちゃうのー⁈


「すみれ、やったじゃーん‼︎
先に練習戻ってんねー♪」


「すみれ先輩‼︎
後で詳しく教えてくださいね♪」


そう言って戻っていく女バレの皆。


「ちょっ…⁈皆…⁉︎」


置いてかないでーー。


「すみれ、よかったなぁ。」


「及川のコト頼むわなー。」


「コレで岩も少しラクになるなー。」


花たちもただニコニコ見てるだけで、
助けてくれない。




とりあえずはなしてーーー!



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