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〜Lemon Candy Story〜

第11章 -恋心-(及川徹)[後編]


「じゃ、2人とも
しっかり頑張ってね‼︎
烏野、叩きのめすのよ!」


「「うすっ‼︎」」


「って、すみれさん、いいんすか?」


金田一が烏野のほうを
チラリと見ながら言う。


「ん?あぁ!澤村のコト?
いいに決まってるじゃない。
わたしは青城なんだし!
それに澤村も
知り合いだから手を抜かれたり、
そういうの絶対嫌いだから。」


さっきはあの”王様”に
意地悪なことを言っていたけど、
金田一は根は優しい。


「それともなぁに?
”王様”に勝つ自信ないの⁇」


「な…っ⁈負けませんっ!」


金田一がやっとキリッとして、
いつもの感じに戻った。


「うん!それでこそ金田一!」


金田一を笑顔で褒めると、
金田一は少し照れているようだった。


可愛らしいなぁ。


「おう!すみれじゃん♪」


金田一と話していると、
後ろから花に声を掛けられた。


「あ!花ー!ちょうどよかった!
あ…あのさ…」


わたしは花に駆け寄り、
小さな声で言った。


「及川…来てる?」


「いや。」


「えっ⁈及川出ないの⁈」


わたしの声に男バレのメンバーが
振り返る。


うぅっ…。
そういえば、2、3年は、
わたしの気持ち知ってるんだっけ…


恥ずかしい…。


せっかく小声で聞いたのに、
結局大きな声で聞き返してしまった。


「最後まで聞けって!
たぶん大丈夫だけどなー。
インハイ予選もあるし、
一応今日も病院行ってんだよ。
ちょっと遅れるくらいじゃね?」


「そ…そっか。」


じゃあ、体育館にいたら、
及川見つけられるよね…


「じゃ、わたし、2階で見てるね。」


「なんでだよー?
せっかくだし、ベンチで見てけば?」


「いや…でも…」


いやぁ…おはなまきさん…。
これでもわたしも色々と女子の目が
気になったりならなかったりなのよ?


及川が目立ちすぎてるだけで、
花も岩泉も松川もけっこう人気ある。


特に岩泉は女バレ人気が高い。
女バレで1番人気がないのが及川…。


おかげで女バレにライバルはいない。


「おっ!檜原!」


花と話していたら、
溝口コーチに話し掛けられた。


「お疲れさまでーす。」


「ちょうどいいや!
お前、スコア付けてくんない?」


「え?」

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