• テキストサイズ

〜Lemon Candy Story〜

第11章 -恋心-(及川徹)[後編]


こ…こわい…。でも…


「ごめんなさいっ‼︎」


ビクーッ⁈として
動けない2人の前に出て、
わたしは烏野の人に謝った。


「じょ…⁉︎」


「じょ?」


さっきの威勢はどこへやら。
烏野のボーズくんは、
急におとなしくなった。


「あっ!お前らっ!
ちょっと目ぇ話したスキにっ」


「(ギクッ…)」


あ…‼︎


「澤村っ‼︎」


「「えっ⁈」」


矢巾と金田一がポカンとしてる。


「おう!檜原かぁ。
すまん!ウチの連中が…」


「「大地さん⁈」」


今度は烏野の皆がポカンとしていた。


「ううん。ウチの後輩たちが
色々言ったのがいけないの。
本当にごめんなさい。」


澤村に言ったあと、
もう一度ボーズくんに謝ると、
ボーズくんは固まっていた。


…そんな怒ってる?


「つ…つぅか‼︎大地さん‼︎
聞いてないっすよ‼︎
青城に彼女いたんスか⁈」


「「「え…⁉︎」」」


思わず矢巾と金田一と
3人でハモってしまった。


なんでそうなる⁈


「バカ!中学同じだっただけだ。
ほんと色々すまんな。」


「ううん。
澤村の試合観るの久しぶり!
応援…は、できないや。」


「ははっ。そうだな。じゃ、またあとでな。」


「うん!ウチ強いからね!
覚悟しといてね♪」


烏野の皆が
体育館へ行こうとすると、
突然金田一が
黒髪の男のコに話し掛けた。


「…久しぶりじゃねーの…”王様”」


え…?王様⁇それって…


「烏野でどんな独裁政権敷いてんのか
楽しみにしてるわ」


「ちょっ…金田一⁈」


金田一がそんなこと言うの…初めて…。


「…ああ。」


でも、黒髪の男のコは、
金田一の挑発に乗ることなく
冷静にこたえ、
さっきのボーズくんたちに
肩を叩かれながら去っていった。


「なんだ…あいつ…
大人しいふりしやがって…」


悔しそうな金田一…。


「金田一…今の…」


「あ…なんかすんません。
同じ中学出身なんです。」


「王様って言ってたコ…
もしかして、セッター?」


「そうっスよ。」


それから金田一に
”王様”の由来を聞いて、
あのコが及川の
”生意気なクソ可愛い後輩”
なんだとわかった。


2人にちょっとだけお説教しながら、
わたしたちも体育館へ向かった。


/ 579ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp