第9章 -期待-(花巻貴大)**
1つだけだったけど、
すみれの笑顔が見れてよかった!
「よし!じゃ、次、何する?」
「え⁈
皆と合流しなくていいんですか?」
あ…。
つか、皆で来てたコト、
すっかり忘れてたな。
「ん?人数多いし、
オレら2人くらいいなくたって、
どーってことないだろ。
それともなに?」
「え…?」
「オレと2人じゃイヤ?」
「…っ⁈」
すみれもオレといるの…
楽しんでくれてると思ってたけど、
気のせいか⁈オレの自惚れ⁈
〜♪〜♪〜♪
…⁈
すみれの返事を待っていると、
突然すみれのスマホが鳴った。
「あ…っ!国見くん…?」
国見ーー⁈
ったく。邪魔すんなよーー。
オレはもう自分の気持ちが抑えられず、
どうしてもすみれと
2人きりでいたかった。
「皆のトコ戻りたい?
すみれが戻りたいなら出て?
でも…オレと2人がイヤじゃないなら
国見の電話…出ないで。」
オレは今にも好きだと
告白してしまいそうだった。
オレはスマホを持つ
すみれの左手をギュッと握った。
オレの気持ちが
この手から伝わるように…。
すみれは困惑したように動かなかった。
やっぱ…ムリヤリすぎたか…?
イヤだったのか…?
〜♪〜♪〜♪
スマホの着信は止まらない。
…ダメだっ。
ピッ!
やっぱり気持ちが抑えられず、
結局オレが切ってしまった。
「わりぃ。時間切れ。
つか、待てなかったわ。」
…かっこわりぃなぁ。
「え⁈あの…わたし…」
「はは…っ。
すみれに選択権
与えたつもりだったけどさ、
やっぱオレがもっとすみれと
一緒にいたくなっちゃったからさ。
…わりぃな。」
「あ…あの!わたし…っ!」
「ん?」
やべぇ…あんま聞きたくねぇ。
さすがに引いたよな…。
「き…切ろうとしてたんです!」
…っ⁈マジか⁈
すみれがジッとオレを見つめてきた。
つか…それって…
「マジ⁈あのさ…それって…」
すみれはオレから目をそらさずに、
オレのことばを待っているようだった。
「オレ…期待しちゃうけど?」
もうオレは期待して、
1人で先に浮き足立ち…