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〜Lemon Candy Story〜

第48章 -選択-(岩泉/黒尾)


京治…変わらないなと思ってたけど、
京治なら…ああいう話、
もっとうまくかわすはずなのに…
それに…さっき手を繋いできたのは…


「檜原、グラス空いてるけどなんか飲む?」


京治は木兎さんの席の方へ行ってしまい、
色々考えていると、黒尾さんが
ドリンクのメニューを差し出してくれた。
今日は全然酔ってないし気持ち悪くないし、
もう1杯くらい飲めるかな。


「じゃあ、ピーチフィズで…」


「今日は全然酔ってねぇのな?」


「はい。なんか今日は平気です♪
けっこう日によって違うというか…
自分でもよくわからなくて…」


「それはダメだろ?気を付けろよー?
一応、女なんだし。」


「一応ってどういう意味ですか⁈もう‼︎」


そういえば…さっきみたいな話、
黒尾さんなんか、一番からかってきそうなのに、
珍しく話に入ってこなかったな…
さすがに部下だし、そこまで弄ってこないか…


ちょうどその時頼んだお酒が運ばれてきて、
わたしと黒尾さんの前にお酒が置かれた。


黒尾さんは、焼酎ロック。
なんか似合うなぁ


「なぁに?」


「いえ!何も…」


ついジッと黒尾さんを見てしまっていたら、
黒尾さんに見つめ返されてしまう。


「見惚れてた?」


「違いますっ!」


「ふぅん…。なぁ?」


「はい?」


慌ててピーチフィズで喉を潤してから
返事をすると、
黒尾さんも焼酎を一口飲んで言葉を続けた。


「中華街一緒に行った彼氏があかーし?」


「え⁈… ゴホッゴホッ…」


突然の黒尾さんの質問に思わず咽せてしまう。
さっきは何も言わないでくれたのに…‼︎
って、皆でいる時に聞かれても困るけど…


「せーかいだった?」


「違います!」


ニヤリとしながら言う黒尾さんのことばを
慌てて否定する。
またしても前言撤回だ…
十分弄られてる…


「じゃあ…岩泉?」


「え…?なんでそこで岩泉さんが
出てくるんですか(笑)?」


突然の黒尾さんのことばに
必死で冷静を装うけど、
さっき酔ってないと言ってしまったし、
実際酔ってないし、お酒のせいにして
誤魔化すコトもできない。


なんでわかったの⁈


「黒尾さん、酔ってます〜?
あ、わたしお手洗い行ってきますね。」


今のわたしには、
そう言って逃げるのが、精一杯だった。


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