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〜Lemon Candy Story〜

第48章 -選択-(岩泉/黒尾)


#10
-すみれside-


いつも練習終わりに行っているという
居酒屋に着くと、
多めに座れるお座敷の席へ案内された。


来た順に…適当に座っていったのだけど、
京治の隣になってしまう。


「すみれ、荷物こっち置けるよ?」


「ありがとう。」


意識し過ぎ…だよね…
京治だって普通に話してくれてるし…


「あかーし、オレのも〜♪」


京治にバッグを渡していると、
後ろから黒尾さんも
京治にバッグを差し出していた。


「はいはい。」


「あかーし、檜原とオレと
随分待遇に差があるんでなーい?」


「そんなコトないですよ?いつも通りです。」


黒尾さんはそのままわたしの隣に座った。
つまり、わたしは京治と黒尾さんに
挟まれて座るコトになってしまった。



そういえば、岩泉さんは…



思わず目で岩泉さんを探してしまう。
岩泉さんは金田一さんたちと
逆側の一番端っこに座っていた。


離れちゃったな…


「何探してんの?」


「え⁈ぁ…えと…おしぼりを…」


「目の前にあるじゃん(笑)」


黒尾さんに話しかけられ、
慌てて答えると、黒尾さんの言う通り、
おしぼりは目の前にあった…。


「檜原さん、もう酔ってる(笑)?」


「後で清水さんに報告しとこ(笑)」


白福さんと雀田さんに笑われてしまう。


「そういえば、清水さんは⁈」


雀田さんの横にいた木兎さんが
急に大きな声で会話の間に入ってきた。


ほっ…
黒尾さんとの話がそれて助かった…


「あ〜、清水、結婚してんだよ。
だから、今日はもう帰った。」


「え⁈マジでーーー⁇」


実はわたしも一緒の部になるまで
知らなかったのだけど、
2年前に結婚して、
仕事は旧姓で続けているらしい。


「はぁ…ショック。
あ‼︎まさか檜原ちゃんも
結婚してるとか言わないよね⁈」


「え⁈」


突然の矛先変更に思わず固まってしまう。


「してませんよ。」


「じゃ、彼氏は?」


「こら、木兎〜!」


「そういうのは、お酒が入ってから聞くのー!」


「え?白福さん⁈」


「注文していいー?」


雀田さんと白福さんのおかげで、
黒尾さんとの話はあやふやにできたけど、
色々聞かれたら…どうしよう…

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