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〜Lemon Candy Story〜

第48章 -選択-(岩泉/黒尾)


「へぇ。意外だな。」


「意外?」


食べながら話していた岩泉さんは、
お箸を持つ手を止めて、
わたしをジッと見てくる。


「おまえ、そんな背低くねぇし。」


「…‼︎ふふ(笑)」


また黒尾さんと同じ(笑)‼︎


思わず笑ってしまった。


「なんだ?」


「黒尾さんにも同じコト言われたので(笑)」


「…っ⁈……へぇ。」


岩泉さんの笑顔を見ていたかったのに…
また一瞬岩泉さんの表情が曇った。


何がいけなかったんだろう…
岩泉さんの気持ちがわからない…


わからないから…
理解してあげられなかったから…
わたしのコト、
ほんとは好きじゃなかったのかな…



…‼︎
もう岩泉さんとのコトは終わったコトなのに
また余計なコトを考えてしまう。


わたしは慌てて話を続けた。


「岩泉さんはポジションどこなんですか?」


「ウイングスパイカー。」


「じゃあ、エースだったんですか?」


「まぁ…高校では、一応…な。」


エース…似合いそうだなぁ。


「すごーい‼︎
なんでウイングスパイカーにしたんですか?」


「なんで…って?」


「わたしは、セッターは、
トス上げるのが楽しかったからで、
リベロは、高校ではうまいセッターがいたから、
コンバートしたんです。
まぁ、リベロも楽しかったですけど。
だから、岩泉さんは、なんで
ウイングスパイカー選んだのかなぁって。」


「まぁ…おまえ流に言うなら、
スパイクが楽しかった…からじゃねーの?」


「なんで、疑問形なんですか〜(笑)?」


"エース"だと言った時もだけど、
自分のコトをちょっと照れながら話す
岩泉さんはなんだか可愛い。


「なんでって言われてもな…。
小っちぇえ頃はスパイクだけが
楽しくてそればっかやってたしな。」


「そんな小さい頃からやってたんですか?」


「あぁ。」


小さい頃の岩泉さんかぁ…
見てみたいなぁ…


いつのまにかこの間のコトを忘れて、
"いつも通り"に話している自分に
ちょっと呆れてしまう。


朝、黒尾さんにあんなにドキドキしたくせに
岩泉さんのコト…忘れられてないんだ…


そんな気持ちをヒシヒシと痛感してしまう。


「やっぱりエースのスパイクは、
バレーの醍醐味というか、
カッコいいですよね♪」

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