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〜Lemon Candy Story〜

第48章 -選択-(岩泉/黒尾)


#07
-すみれside-


「檜原、おまえ、昼飯は?」


「え…?」


国見さんに声を掛けられて、
時計を見ると、13:10…
昼休みはとっくに終わっていた。


「あ…忘れてました。」


「GWボケ⁇」


朝の黒尾さんとの一連の出来事が
頭の中から離れなくて、
何かに集中していないと、
頭が爆発してしまいそうだった…


ので、仕事に集中してたら、
昼休みに気付かなかったんです…


なんて、そんなコト言えるはずもなく…


「GWボケじゃなくて、5月病かもです…。」


「はぁ?」


渾身のわたしの返しに、
国見さんの冷たい視線…


「お昼行ってきまーす。」


国見さんの視線を背中に受けながら、
社食に向かった。


営業時間ギリギリだけど、
何かしらあるかな…まぁ、
なければ、横の売店で何か買えばいっか。


黒尾さんが外出してくれて、
ほんと助かったけど、
あんな風に助けてくれて…
電車の中でもあんなにくっついちゃって…
その後のことばも…


黒尾さんは何にも思ってないんだろうけど‼︎
そんなの朝飯前なんだろうけど‼︎


免疫ないわたしにそんなコト言わないでよ…


ダメだ…仕事から離れた途端、
黒尾さんで頭がいっぱいになってしまう。


期待しないで行った社食には、
わたしのように
お昼に行きそびれた人がいたけど、
一番人気のザルうどんがラス1で残っていて、
少し気分が上がったわたしは、
普段は混んでいる窓際の席へ向かった。


でも、窓際まで行って、
そこまで行ったコトを後悔半分と…
嬉しさ半分…
なんとも形容しがたい気持ちになる。


まばらに座っている人たちの中に、
岩泉さんを見つけてしまったから。


まばらとはいえ、
スーツを着た男性のほうが多いのに、
その中から岩泉さんをすぐに見つけてしまう
自分が嫌になる。


この間…ウチで抱き締められた日から、
岩泉さんとはそのことについては話していない。


二人きりで話す機会がなかった…
っていうのもあるけど…。


でも、ちゃんと"いつも通り"過ごした。


仕事の話はするし、皆といる時は、
雑談だってする。


"いつも通り"だったら…
いつも通りのわたしなら…


岩泉さんに話し掛けて…
一緒にお昼を食べてる…よね。

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