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〜Lemon Candy Story〜

第48章 -選択-(岩泉/黒尾)


「ははっ(笑)おまえ、その被せる感じ?
よくわかんねぇけど、センスあるよな(笑)」


「センスとかそんな話してないですっ‼︎」


「うん。でも、センスあるある(笑)」


「〜〜っ‼︎」


黒尾さんと話してると、
どんどんわけがわからなくなってくる。


わたしが言い返せないでいると、
黒尾さんはただただおかしそうに笑っていた。


「そ…それで‼︎彼女いるんですか?」


「へぇ…オレ、はぐらかしたのに、
まだ聞きたいんだー(笑)?
てか、聞くんなら、まずは自分からだろー?
檜原は彼氏いんのー?」


「え⁈…別に…いませんけど…」


「ふぅん。いつからいないの?」


「1年ちょっと…って‼︎
なんで、またわたしばっかり…‼︎」


なんとか黒尾さんを言い負かしたくて、
もう一度聞いたのに、
なぜかわたしが答える羽目になってしまう。


「ぶひゃひゃっ(笑)
ほーんと檜原って面白ぇわ(笑)」


「〜っ‼︎」


「お待たせしまシたー!」


黒尾さんが大笑いしていると、
まずは北京ダッグが運ばれてきたので、
わたしは取り皿も含め、
全部自分の方に寄せた。


「わたしばっかりズルいです!
教えてくれないなら、
これ、全部わたしが食べますからねっ⁈」


「へ…?…ははっ(笑)」


「黒尾…さん?」


黒尾さんはお腹を抱えて笑い出して、
笑い上戸のように笑いが治らない。


「あ〜ほんっと檜原っておかしい(笑)‼︎」


「…ヒドイっ‼︎」


「あ、ちなみに彼女は今いねーから。
もう3年くらいかー。おまえより長ぇな(笑)」


「え…?」


「ほら、ちゃんと言ったんだから、
北京ダッグ独り占めすんなよー?
オレのが可哀想だから、
オレが4コで、檜原、2コな?」


「な…っ⁈そこは、ちゃんと3コずつですっ‼︎」


「えー(笑)?
あ、こーやるとうまく巻けんだぞー?」


黒尾さんは冗談?を言いながらも、
とても上手に北京ダッグを包み、
ちゃんと3コずつ分けてくれた。


黒尾さんとは、仕事でも仕事以外でも
いつもこんな感じだったけど、
段々とこのテンポが
居心地よくなってきていたのと、
仕事の忙しさもあり、あの日以来、
岩泉さんと二人で話すコトはないまま、
あっという間に4月は過ぎ去っていった。


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