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〜Lemon Candy Story〜

第48章 -選択-(岩泉/黒尾)


#02
-岩泉side-


「二次会、カラオケなー‼︎行く人こっちー‼︎」


一次会がどうにか終わって、
盛り上がってる奴らは、
早速二次会へ繰り出そうとしている。


二次会はさすがに面倒臭ぇし、帰るか。
でも…あいつが行くなら…。


「檜原さん、大丈夫?」


「おーい‼︎檜原〜‼︎おまえんちどこー?
清水、知ってる?」


「いえ…聞いたことなくて…」


そう思ってあいつを探していると、
あいつが店の前の椅子に座っていて、
黒尾と清水の声が聞こえてきた。


あいつ…潰れたな…。


「どーしたんだ?」


さりげなく…黒尾と清水のところまで行くと、
案の定、檜原は気持ち良さそうに
落ちる寸前だった。


「あー。こいつ、潰れちまって…。
岩泉、檜原んち知ってる?
タクシーで送ってくわ。」


黒尾が…?


「…ったく。相変わらずだな。
こいつんち通り道だし、オレが送ってくわ。」


檜原んちを知っているのは本当…
引っ越してなければだが…


「…………じゃ、頼むわ、元上司!」


「あぁ…次からは頼むな?現上司?」


「次はもう潰さねぇよ。
んじゃ、タクシー拾ってくるわ。」


黒尾が行ってしまうと、
檜原の荷物を持った清水が
心配そうに声を掛けてきた。


「あの…わたしが付き添いましょうか?」


「いや、大丈夫だ。
清水も二次会行かないなら、早く帰れ?」


「でも…。」


さすがに酔い潰れた女に、
女を付き添わせるなんてできねぇし…
まぁ…たぶん清水は…
別の意味で心配してる…んだよな…


「酔い潰れた女に手ぇ出さねぇよ。
つぅか、部下だし、なんもねぇって。」


「…そうですね。
岩泉さんなら大丈夫ですよね。」


一応…信用されてるってコトか…?
色んな意味でちょっと胸が痛む。


「岩泉‼︎タクシー来たー!」


「おう。じゃ、清水も早く帰れよ?」


「はい。岩泉さんも気をつけて。」


「檜原ー‼︎行くぞ?」


「ふぁ…ぃ。」


酔い潰れた檜原を
どうにかタクシーに押し込み、
タクシーのドアが閉まってから、
オレは行き先を告げた。


「上梟谷まで。」


黒尾には"通り道"…と言ったが…
檜原の家はウチとは逆方向だった。

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