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〜Lemon Candy Story〜

第48章 -選択-(岩泉/黒尾)


「あと、なんかいい匂いもしたな。香水?
こんな時間まで持つなんて、何使ってるの?
…って、それはセクハラか(笑)」


セクハラの基準…なんか違うーー‼︎
さっきのキス寸前のほうがセクハラだってば‼︎


「何やってんだよ?戻るぞー?」


わたしがボーッとしていると、
黒尾さんはわたしの後ろから肩を押した。


「おまえ、もう飲むのやめとけよ?」


「…ムリです。」


こんなドキドキさせられて…
飲まなきゃやってけないってば‼︎


席に戻ると、
まただいぶシャッフルされていて、
黒尾さんはちょうど幹事の人に呼ばれたので、
とりあえず黒尾さんからは離れられる…
そう思ったのに…


「オレ行かなきゃだから、
とりあえず、見張り付けるからな。」


「見張り?」


「おまえはこっち。」


連れていかれたのは、国見さんの隣だった。


「国見ー!檜原、見張っててー。」


「…イヤです。」


うるさい席から少し離れた席で、
一人静かに飲んでいた国見さんは、
心底めんどくさそうに
黒尾さんとわたしを見比べている。


「ダメー。上司命令。じゃ、よろしくな。」


黒尾さんはそう言うと、
わたしを置いて幹事のところへ行ってしまった。


わたしも、ほかに行きたい席は…
なくもないけど…行きづらいので、
見張られるつもりはないけど、
国見さんの隣に座ることにした。


「黒尾さん、職権濫用ー。」


「そんなにわたしと飲むのイヤですかー?
久しぶりだからいいじゃないですかっ‼︎」


「はぁ…。で?何飲むの?
(檜原って酒強かったっけ…
見張りって、別チームの奴らのほう
行かないようにってコトだよな…)」


国見さんは面倒臭そうに言うものの、
なんだかんだで優しいので、
結局メニューを見せてくれた。


「えっと…梅酒のロック‼︎」


「檜原って酒強かった?」


「…普通ですーー‼︎」


「すみません‼︎梅酒のソーダ割くださーい。」


わたしはロックと言ったのに、
国見さんは、ソーダ割を頼んでしまう。


「えー⁈ロックの気分なんですけど‼︎」


「ばーか‼︎んなもん飲ませるかっつーの。」


仕方ないので、国見さんが頼んだ
梅酒のソーダ割で国見さんと乾杯した…
ところまでは覚えている…


そこまで…は…。

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