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〜Lemon Candy Story〜

第48章 -選択-(岩泉/黒尾)


「2人ともバレー経験者だなんて、
今回の配属、バレー経験も理由なのかな…」


「どうだろ?」


たしかに、今回の新しい部のプロジェクトは、
バレーのプロチームと共同での開発だけど…


「檜原、ポジションどこだったの?」


「「えっ?」」


突然後ろから声を掛けられ、
清水さんと二人で振り向くと、黒尾さんがいた。


「黒尾さん!お疲れさまです。」
「お疲れさまですー。」


「おう。で?どこなの?」


「あ…リベロです。」


「マジ?檜原、そこまで身長低くねぇのに。」


たしかに…わたしは、
身長は高くもないけど、低くもない。


「中学ではセッターだったんです。
高校のチームはうまいセッターがいたんで、
コンバートして…」


「マジか‼︎で?清水はマネだったのね?」


「…?はい。」


いつのまにか、話の主導権は、
わたしたちの横を一緒に歩いている
黒尾さんになっていた。


「おまえら、ウチのチーム入んない?」


「チーム…?」


「そう。ウチのプロジェクトの
関係もあるんだけどさ、
ウチの会社でチーム作ったのよ。
まだ人数少なくて、
かなり緩いチームなんだけどな。
男女関係なくゲームして楽しむーみたいな。」


私生活は謎だと噂の黒尾さんが、
バレーをしているなんて意外だった。


「楽しそうですね。」


でも、知らない人ばっかりはなぁ…
ここはいったんうやむやにしてしまおう…


「だろー?清水はどう?岩泉とかもいるし。」


「え⁈」


「あん?どーした?檜原?」


「あ…岩泉さんもバレー部だったって、
前に聞いたな…って…」


岩泉さんの名前に反応してしまい、
思わず慌てて取り繕う。
前に聞いたのはほんとだし…
今のはおかしくないよね。


「つぅか、ウチのグループも岩泉のグループも、
全員チームに入ってるわ。」


「「え⁈」」


「ま、そんなわけで、
おまえら二人ウチのチームに参加な?
ほら、店着いたぞー?」


決定な〜と笑いながら
お店に入っていく黒尾さんに
何も言えないわたしたちは、
思わず顔を見合わせてしまう。


「あまりにも酷かったら、
行くのやめればいいわよ。
職権濫用だしね。」


そう目配せする清水さんは、
意外にもハッキリしていて、
なんだか頼もしかった。

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