第48章 -選択-(岩泉/黒尾)
飲み会の席は、「女のコはわかれて…」と、
隣の部の人の仕切りによって、
清水さんとは離れてしまい、
周りはほとんど知らない人になってしまう。
清水さんの隣だと、
色々比べられてしまうかもしれないけど、
清水さんの隣のほうがよかったなぁ。
でも、そんな感情を出すわけにもいかず、
知らない人の中でテンションをあげるには、
飲むしかなかった。
「檜原さん、飲むなぁ!」
「弱いっつってたのに強いじゃーん!」
「あはは(笑)弱いですよー。
でも、皆さんと飲んでるから、
お酒美味しくてー♪」
「マジか〜‼︎口うまいなぁ(笑)」
「ひどーい‼︎本心ですよーー‼︎」
乾杯ビール1杯とレモンサワー3杯目。
さすがに飲み過ぎたかなと思うけど、
いつもよりは気持ち悪くないし、
何より場の雰囲気が、
盛り上がっているように感じるので、
とりあえず良しとしよう。
「ほら、次来たー!」
「檜原さん、マッコリきたよー。」
「甘くて美味しいですよねー!」
たしかに美味しい…美味しいけど、
今飲んだら完全アウトだなぁ…
でも、断れなくて、結局飲んでしまう。
「美味しいですねー。
あ〜ちょっとお手洗いいってきまぁす。」
結局…たぶん…マッコリは1〜2杯?
何杯飲んだかいまいちわからないけど、
お手洗いに行くことにした。
はぁ…ヤバい…
今日はいつもより気持ち悪くないけど、
フラフラするなぁ…お水もらお…
ドンッ…
「ふぁ…っ…すみま…せ…」
「…っと…檜原⁈」
お手洗いの手前の角で
ぶつかった人に支えられてハッとすると、
わたしを支えてくれていたのは、
岩泉さんだった。
「あっ!岩泉さんだぁぁ。
お疲れさまでーす。飲んでますか〜?」
「いや、飲んでんの、おまえだろ?大丈夫か?」
「だ〜いじょうぶですっ!
今日なんだかちょーし良くてー(笑)
マッコリおいしーっ。」
「マッコリまで飲んだのかよ?」
「今日はなんか大丈夫なんですー。」
「はぁ…大丈夫じゃねーだろ?
おまえ、トイレ戻ったら、もう飲むなよ?」
「あははっ(笑)それは約束できませんーー♪」