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〜Lemon Candy Story〜

第48章 -選択-(岩泉/黒尾)


黒尾さんは、男版清水さんというか…
仕事もできて、部下想い…と評判。
それでいて、ミステリアスで
謎が多いという噂もあったりなかったり…


注目されてキラキラしてる人は、
ちょっと苦手…かも。


「そういや、檜原は
岩泉の下にいたコトあんだよな?」


「えっ⁈あ…は…はい!」


「なぁにテンパってんの〜(笑)?
檜原、おもしろいなぁ。」


ちょっと失礼なことを考えていたから、
余計にあたふたしてしまうと、
黒尾さんにからかわれてしまう。


「お…おもしろくないです!」


「はいはい(笑)
岩泉とオレ、同期なんだ。知ってた?」


「あ…はい。」


揶揄われて軽くあしらわれてしまったけど、
岩泉さんの話になって、思わず緊張が走る。


岩泉さんと黒尾さんは同期…
そんなことは知っていたけど…。


余計なコト言わないように…
ボロが出ないようにしなきゃ…


「あー、そういえば、おまえ、
新卒で岩泉さんトコ入ったんだっけ?
直上に金田一だったよな?」


黒尾さんとわたしの会話に、
眠そうな国見さんが珍しく口を挟む。


「はい!岩泉さんの下のとき、
直上が金田一さんでした。」


金田一さんと国見さんも同期。
金田一さん繋がりで、
国見さんとも飲むようになったんだっけ。


「岩泉の下に女のコ行ったの
初めてだったからな。」


「あー。そういえばそーですね。」


「岩泉は、顔が怖いからなぁ(笑)」


「おまえら、朝から何言ってんだよ?」

カツンッ‼︎

「いってぇ…岩泉⁈なんだ、戻ってたのかよ?」


自販機に行ってたらしい岩泉さんが、
戻ってきていて、持ってたペットボトルで
黒尾さんの頭を小突いた。


「なんも言ってないよなー?檜原っ♪」


「えっ⁈はい‼︎何も…」


「何、テンパってんだよ、バーカ(笑)」

ポンッ…

「いったぁ…」


「手加減しただろ?」

痛い…とは言ったけど、
岩泉さんは、わたしのコトは手のひらで
優しくポンとして笑っていた。


「岩泉さんの手加減は足りないんですー!」


「いや、いつも優しいわ!」


「優しくないですー!」


他愛のない会話が嬉しくて仕方ない。


でも、わたしたちのやりとりを
黒尾さんがジッと見ていたなんて、
その時はまったく気付いていなかった。

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