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〜Lemon Candy Story〜

第48章 -選択-(岩泉/黒尾)


「おはようございます!」


「…はよー。」


岩泉さんと一緒にフロアに入ると、
斜め向かいの席の国見さんが
眠そうに省エネモードで答えてくれた。


国見さんは一緒に仕事はしたコトなかったけど、
仲良い先輩の同期で話したコトはあったので、
省エネモードも慣れている。
初対面の時はちょっと怖かったけど…。


「眠そうですね(笑)
今日からよろしくお願いしますねー。先輩?」


「あーー…はいはい。」


相変わらずの国見さんに思わず笑ってしまう。


わたしが配属された部署は、
去年、新しく立ち上がった事業の部署で、
全部で4チームで構成されている。


1チームに2グループあり、
わたしのグループは、
チーフマネージャーの黒尾さんと、
国見さんとわたし。


「おはよう。檜原さん、この書類、
異動した人は提出してほしいって、
人事から連絡あったんだけど、
わたし、まとめて出してくるから、
書いたらもらっていいかな?」


一緒に4月から異動になった清水さんは、
隣のグループ。

隣のグループのチーフマネージャーは、
岩泉さん…


清水さんは同期の中でもとても有名。
人数の多い同期は、ほとんどがわからないけど、
清水さんを知らない人はいないと思う。


美人でしっかりしてて仕事ができる。
普段はクールビューティなのに、
たまに笑う笑顔が超ヤバイ‼︎と評判。


わたしもほとんど話したコトはなかったけど、
清水さんのコトは知っていた。


清水さんがわたしのコトを認識していたかは、
わからないけれど…。


「ありがとう。提出、わたしが行くよ。」


「大丈夫よ。別件で人事に用事があるし。」


書類のやりとりも人事としてくれたのなら、
手間ばかり掛けて申し訳ないと思い、
提出を申し出ると、
女神のような微笑みで答えてくれた。


これはモテるはずだ…。



清水さん…岩泉さんの下なんだ…


人事の発表の時にわかっていたコトなのに、
清水さんを目の前にして、
わたしの心はモヤモヤしてくる…。


その時、「はよー」と、
まだ聞いていなかった声が背中から聞こえ、
慌てて振り向くと、
隣の席の黒尾さんが来たところだった。


「あ…おはようございます‼︎
今日からよろしくお願いします。」


「あぁ。よろしくな。」


「…っ⁈」

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