第47章 -運命-(岩泉一)
突然、ハジメくんの顔が近付き、
ハジメくんはわたしの耳元で囁くと、
またな!とだけ言って、
そのまま徹くんと一緒に
バスに乗って行ってしまった。
わたしは熱い耳元をおさえて、
暫くそこから動けなかった。
「じゃあ…遠慮なく
すみれにアプローチできるな。」
ハジメくんはたしかにそう言った。
ハジメくんて、そんな強気な人だったのー⁈
最初から最後まで、
ハジメくんにはドキドキさせられっぱなし…。
こんな短期間で単純かもしれないけど…
わたしにはこの人しかいない…
運命だ…って、そう思った瞬間だった。