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〜Lemon Candy Story〜

第47章 -運命-(岩泉一)


*現代*
-すみれside-


「ステキ〜♡
もうその時点で相思相愛じゃないですかっ!」


「いや…そういうのじゃ…」


「えー?相思相愛だったでしょー?
ハジメくん、何がいけないのよー?」


ハジメくんが照れてるだけなのは、
もちろんわかっているのだけど、
こうやってハジメくんを
からかうのは楽しいというか、
久しぶりに可愛いハジメくんを見たくて、
ちえりちゃんの前なのに、
ついハジメくんとイチャイチャというか…
甘えてしまう。


「…で?」


でも、ちえりちゃんは笑顔のまま、
声色だけ変え、一言…というより、一文字…
徹くんのほうを向く。


「"で"って〜?」


気持ち良く酔っている徹くんは、
まだ事の重大さに気付いていない。


「岩泉さんとすみれさんがデートした日、
及川さんはどこに行ってたんですか?
彼女がいても、
さぞかしおモテになったんでしょうね?」


「え…?あの…橘さん…?
いや…かなり昔の話だし…どこ行ったかな…」


「岩泉さんとすみれさんは、
しっかり覚えてるじゃないですか!」


「そりゃ、二人は…その…ほらぁ!
運命の相手と出会ったんだから、
覚えてなきゃダメでしょー」


笑顔と声色に差がありすぎ、
さすがの徹くんも一気に酔いが覚めたようで、
ちえりちゃんの追求にしどろもどろだった。


「じゃあ、及川さんには、
覚えてないいろんなお話がいーっぱいあるって
コトなんですねぇ。」


「ちがうって!ねぇってば!
てゆぅか、二人とも!二人の話するのに、
及川さんの話は関係ないじゃない!」


「あん?オマエがオレらの
キューピッドだなんだって
ほざいてたんだろ?」


「キューピッドじゃないけど、
わたしたちが二人で
金比羅さんに行った理由を説明するには、
外せないトコだったわよね?」


「そんなぁぁ…!でも、オレだって、
橘さんとの出会いは、運命なんだから、
橘さんとのコトは忘れないんだから!」


「…っ⁈及川さん…っ⁈酔ってます⁈」


徹くんの発言とは思えないくらい
まっすぐな言葉に、思わずハジメくんと
顔を見合わせて微笑んでしまう。


あの金比羅さんで、
一気にハジメくんと距離が縮まって…
帰っちゃう時は泣いちゃったっけ…

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