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〜Lemon Candy Story〜

第47章 -運命-(岩泉一)


-岩泉side-


すみれは照れながら、
ちょっと申し訳なさそうに
さっきおみくじを結んだほうを見ながら言う。


全然気にしてねぇのに。


「ははっ…そんなん気にすんなって。」


照れた表情のすみれがすげぇ可愛くて…


「ハ…ハジメくん…⁈」


「…?あ…わりぃ…」


オレは無意識にすみれの頭を撫でていた手を
慌ててはなした。



やっべぇ…
及川じゃあるまいし、何やってんだ、オレ…



「ううん。ハジメくん、やっぱり手大きいね。」


「…そっか?」


幸い、すみれもそこまで気にしてないようで、
安心した反面、どこか虚しくなってしまうが、
虚しい気持ちは打ち消そうと、
さっきもらった御守りを袋から取り出す。


「コレ…」


「ちょっと可愛すぎたかな?
小さいからいいかなと思ったんだけど…
笑顔の御守りみたいで…」


すみれがくれたのは
トリコロール柄がかわいい小さな御守りだった。


「いや、被ったなと思って…」


そう言って、オレもさっき買った御守りの袋を
すみれに渡した。


「え…?わたしに?いつのまに…」


「オマエが御守り見てる時、オレもな。
大凶、凹んでたみたいだし、
コレ、笑顔の御守りらしいぞ?」


「あ…同じ色…」


すみれも袋から御守りを取り出し、
御守りとオレの顔を交互に見ていた。


「気が合うな。」


すみれの表情から、
気に入ってくれたコトは伝わり、ホッとする。


まぁ、すみれも同じの選んでくれていたし…


「スマホにつけちゃおっかな。」


すみれもスマホにつけたので、
オレもつけるコトにした。
幸い、ストラップもつけられるスマホケースだ。


二人で一緒につけると、
当たり前なのだが、お揃いになる…。



こんなの…今まで、
彼女ともしたコトなかったな…。



「うん!かわいい!ハジメくん、ありがとう。」


照れ臭いけど、すみれの笑顔を見れただけで、
この御守りの効果はあったんだと思った。


それからは、すみれもずっと笑顔で、
昼飯は結局うどん屋に入ったが、
やっぱりすみれんちのうどんが
一番うまいと二人で話し、
土産物屋を覗いたりしながら、
あっという間に休みは終わった。

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