• テキストサイズ

〜Lemon Candy Story〜

第47章 -運命-(岩泉一)


景色を堪能してからお参りをして、
御守りやお札を見ていたら、
おみくじを見つけて、
ハジメくんと二人で引くことにした。


何度も来たコトがあるから、
御守りやおみくじなんて
普段ならスルーしてしまうのに、
ハジメくんと一緒だと色んなモノが
1トーン明るく見えて、
ひとつひとつがなんでも楽しくなる。


「一緒に見ようね?せーのでだよ?」


「おう。」


こうやっておみくじを開けるのだって、
ドキドキして楽しくて…


「せーのっ!!………あ……。」



ハジメくんは大吉、わたしは…大凶。



おみくじの結果は楽しくなかった。


「大凶なんて初めて引いたよー。最悪…」


「ははっ…オレも初めて見たな。
まぁ、これ以上、下はないし、
これから上がってくってコトだろ?」


「そうかもしれないけど…」


ハジメくんは大吉を引いたし、
なんだか神様に
ハジメくんとは釣り合わないって
言われたような気がして、凹んでしまう。


「ほら、貸せって。高いトコに結んでやるよ。」


「高いトコ?」


「あぁ。運気が上がるようにな。」


ハジメくんに大凶のおみくじを渡すと、
ハジメくんは一番高い所に結んでくれた。


「ありがとう。…あれ?ハジメくんのも結ぶの?」


わたしのおみくじを結び終えたハジメくんは、
そのまま隣に自分の大吉のおみくじを結んでいる。


大吉のおみくじは、
持って帰る人が多いのに…


「大凶の隣に大吉があれば、
運気あがるのも、その分、早そうだろ?」


…っ⁈わたしの…ため…?


「ありがとう!」


「…っ⁈…おう。」


大凶引いて凹んでた気持ちなんて、
一気に吹き飛んでしまった。
むしろ、大凶引いてよかったんじゃないかって、
そんな現金なコトを思ってしまう。


「ね、御守り、もう一回見てもいい?」


「あぁ。」


たくさん種類のある御守りの中から、
1つ選んで、巫女さんにお代を渡す。


これなら小さいし…いいよね…


「ごめんね、おまたせ。」


「もういいのか?」


少し混んでいたので、
ハジメくんは先に
少し離れた所で待っていてくれた。


「うん。あのね、コレ…」


さっき買った御守りをハジメくんに渡す。


「…オレに?」


「うん。さっき、おみくじ…
ハジメくんの大吉のパワーもらっちゃったし…」

/ 579ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp