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〜Lemon Candy Story〜

第46章 -運命-(及川徹)[完結編]


ペアルック問題⁈で、
少し緊張はほぐれたのは事実だけど、
及川さんは、
この前のコトがなかったかのように、
今までと何も変わらず、
普通にいろんなコトを話してくれ、
相変わらずママのように、
アメいるー?とか、
寒くないー?とか、
わたしに気をつかってくれる。



わたしは早くこの前のコトを謝らなきゃ、
気持ちを伝えなきゃって思うのに、
及川さんとのこの居心地のいい空気を
壊したくなくて、なかなか想いを告げられない。


「あの…ほんとにどこに行くんですか?」


「着いたらわかるよ♪」


「そ…そりゃそうですけど‼︎」


「ははっ…(笑)じゃあ、もうすぐわかるよ♪」


「…大して変わりません。」


及川さんのことばに
思わず素っ気なく答えてしまうけど、
気がついたら、車は高速を降りようとしていて、
高速の出口の看板を見てやっと気付く。


「ネズミーランドに行くんですか⁈」


「ご名答♪
ほらね、"もうすぐ"わかったでしょ?」



及川さんは嬉しそうに言うけど、
及川さん…ネズミーランド、イヤなんじゃ…?



土曜日だけど、そこまで混んでなくて、
少し待っただけで駐車場にも入れた。


入場ゲートの手前で、
パスポートの列に並ぼうとすると、
及川さんはわたしを制して、
入場のほうの列に並ぶ。


「じゃーん♪会社で当たっちゃった♪
会社の福利厚生でね、たまに
ペアチケットとか抽選でもらえるんだ。」


そう言って及川さんは、
1枚わたしにくれるけど、
ほんとはわたしに気を使わせないために
そんなふうに言ってるんじゃ…


「ほんとだよ?
ま、ペアチケットなくても、
檜原さんとなら一緒に行きたいなって
思ってたしね♪」


「え⁈」


わたしが怪訝そうに
パスポートを見ていたからか、
及川さんは念押ししてくるけど、
それどころではなくなってしまった。


"一緒に行きたいと思ってた"…って。


「ほら、入ろう?」


「…っ⁈」


及川さんに手を引かれ、
わたしは夢の国に一歩踏み出す。


一歩入っただけで、そこは別世界で、
何もかもが可愛くて、
キラキラ輝いて見えた。


「へぇ。すごい凝ってるんだねぇ。」


及川さんと並んで中へ進むと、
目の前に大きなお城が見えてきた。


「なんで眠り姫のお城はないんだろ?」


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