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〜Lemon Candy Story〜

第46章 -運命-(及川徹)[完結編]


-すみれside-


花巻さんと雑談をしている最中に
及川さんが突然現れてしまったので、
わたしは心の準備ができていないまま、
いつもの応接室で及川さんと対峙していた。


「檜原さん、コーヒーでいいですか?」


「あ…い…いえ‼︎
先程花巻さんにいただいたので、大丈夫です。
ありがとうございます。」


「…ふーん。
ねぇ、マッキーとも仕事してたの?」


あ、喋り方が2人の時の喋り方に戻った…。


「…ふふ。」


もしかして、わたしといる時にしか
見せていない姿なのかなと思ってしまい、
思わず笑みがこぼれてしまう。


「…何かおかしいコトあった?」


「あ…いえっ‼︎花巻さんとは、
直接は仕事していないんですけど、
今日は急遽、夜久の代わりに、
資料をお持ちするコトになったので…」


ダメだ…わたし、及川さんのコト…‼︎


金曜日のコトが頭から離れない。
それに今日この後だって…


これじゃ…
変な勘違い女みたいじゃない‼︎


及川さんに他意はないんだから…


「…そう。なんか盛り上がってたね。」


「え…?あ、ネズミーランドの話をしてて…。
花巻さん、奥様との初デートもプロポーズも
ネズミーランドだった…って。」


「あぁ…そういえば、マッキーの結婚式、
ネズミーランドホテルだったな。」


「そうなんですね。
花巻さんて、本当に奥様想いなんですね。」


珍しいな…
たしかに及川さんはよく雑談をするけど、
いつも、仕事の話が終わってからなのに…。


「……。」


しかも、なぜか話の途中で
及川さんが黙ってしまったので、
わたしはさっき花巻さんに聞いたコトを
及川さんにも聞いてみるコトにした。


「及川さんはネズミーランド行かれます?」


「いや、1回も行ったコトない。」


「え⁈」


「…意外だった?」


「…っ⁈」


…図星だった。
及川さんなら、デートでせがまれて、
何度も行ったコトがあるだろうなんて
勝手に思っていた。


「オレ、高校までは宮城だから、
学生の頃は行かないし、
修学旅行は沖縄だったんだよねー。
大学入って東京出てきたけど、なんか、
彼女に頼まれてもはぐらかしてたなー。」


わたしだって
勝手に決めつけられるのがイヤなのに、
及川さんのコト決めつけて失礼だったな…


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