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〜Lemon Candy Story〜

第46章 -運命-(及川徹)[完結編]


頭上からの声に檜原さんと同時に顔を上げると、
そこにはとびきりの笑顔の及川がいた。


「僕のよく知っている素敵な声がするから、
覗いたら、やっぱり檜原さんだったんで。
花巻ともお仕事されてたんですね?」


「……。」


絶賛よそゆきモードの及川に反して、
檜原さんは苦笑い。
やっぱり檜原さんはそっちタイプか。
及川が来ても目を♡にしない。


「てゆぅか、花巻さん?
仕事中にナンパはダメなんじゃない?
仮にも新婚さんなんだしー?」


「はぁ…どーゆー見方したら、
コレがナンパになるんだよ?」


「檜原さん、キレイだから、
花巻が浮かれてるのかなぁって。」


どことなくトゲがある気がするのは
気のせいだろうか。


つぅか、取引先の人の前で
ココまで素を見せる及川も珍しい。


「はぁ…おまえなぁ…。」


「及川さん…‼︎花巻さんに失礼ですよ。」


及川のトゲに対抗…つぅか、
珍しく余裕のなさげな及川に
もう少しジャブを入れようとすると、
意外にも止めに入ったのは檜原さんだった。


しかも、檜原さん、
気のせいじゃなければ、
ちょっと赤くなってる気がするし、
さっきまでオレと話してた時と違って、
檜原さんも素が出たというか、
一気に雰囲気が柔らかくなったような…


…‼︎って、思い出した‼︎


檜原さん、あのパーティの時の受付の人じゃん‼︎
及川がナンパしてた…


つぅか、及川、マジなのか⁈
そういえば、
ここ最近の様子がおかしかったのが、
全部繋がる気がするし、
檜原さんのこの態度も…


「…花巻、もうお話は終わった?
終わったなら、17時から応接取ってるから、
檜原さん、お借りしてもいいかな?」


「あぁ。」


「じゃあ、檜原さん、あちらへ。
いつもの部屋なので。」


及川はオレから檜原さんを
早く離れさせたいようで、
檜原さんを席から立たせたが、
檜原さんはオレに挨拶するのを忘れない。


「花巻さん、ありがとうございました。
あの、よろしくお願いします。」


「はい。また連絡入れますので。」


「……。」

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