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〜Lemon Candy Story〜

第46章 -運命-(及川徹)[完結編]


-花巻side-


「花巻さん!受付にNEKOMAデザインの
檜原様がいらっしゃってるそうです。」


内線を取った後輩に言われ、受付に行くと、
広いソファに男2人組と女性が1人、
適度に離れた位置で座っていた。



女の人のほう…だよなぁ。



希望的観測も込めて
ソファのほうを見ていると、
新人のマリちゃんが、
「あちらの方です。」と小声で、
女性の方に視線を向けた。



やっぱりな♪
NEKOMAの紙袋持ってるし。



ちなみにオレは及川みたいに、
誰でも下の名前で呼ぶわけではない。



受付のコは2人とも名字が同じで、
今年入った新人のマリちゃんの方を
男女問わず、
みんな"マリちゃん"て呼んでいるから、
オレもそう呼んでいるだけ。


及川のように軽い気持ちで
言い寄ってるわけではない。


断じて‼︎つぅか、オレ、嫁いるし‼︎



…って、オレは、誰に言い訳してるんだ⁈



そんなコトは置いといて、
オレは彼女…檜原さんの元へ向かった。


誰か別のヤツを待っている男2人組が、
「あの人、よくね?」なんて、
小声で話している声を背に、
オレは余裕で、
正々堂々(ナンパじゃなくて仕事だけど)、
檜原さんに話しかけた。


「檜原さんですよね?
夜久さんから伺ってます。
急にすみません。花巻です。」


「はじめまして。
NEKOMAデザインの檜原です。」


「無理を言ってしまってすみません。
あ、あちらへよろしいですか?」


応接フロアではなく、
打ち合わせ用のオープンスペースに
檜原さんを案内する。


「檜原さん、飲み物何がいいですか?
コーヒー?紅茶?緑茶?カルピス?」


及川ばりの営業スマイル(オレのほうが
無邪気な笑顔だし!)で言うと、
檜原さんは、「コーヒーで」と、
クスクス笑いながら答えてくれた。



やべっ…笑うとなんか可愛いな。



別に狙ってるとかじゃないけど‼︎
一般論てやつ⁈


って、オレは心の中で嫁に⁈
言い訳しながら、
来客用のコーヒーを淹れに行った。

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