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〜Lemon Candy Story〜

第46章 -運命-(及川徹)[完結編]


-すみれside-


2週間なんて
仕事がバタバタしてるとすぐに過ぎて、
あっという間に金曜日…
今日は、及川さん曰く"デート"の日。


先週及川さんと打ち合わせをして、
今週の打ち合わせはなくなったので、
及川さんに会うのは2週間ぶり。


別に"デート"を意識しているわけではないけど、
朝からソワソワしてしまう。


"デート"じゃない。
男の人と2人きりで会うのなんて、
久しぶりだから、
ちょっと意識してしまっているだけ…



そう自分を納得させ、仕事に集中した。



今日は落ち着いているし、
余裕で定時であがれそうだな…。


2週間経つのはあっという間だったのに、
今日は、1時間…10分ですら、
進むのが遅く感じてしまう。


少しでも仕事を終わらせたくて、
ランチの時間もそこそこに仕事を続けていた。


自分の気持ちと行動が矛盾しているコトには、
気付かないふりをして仕事をしていると、
営業部の佐武さんがわたしの席まで来ていた。


「佐武さん、どうしたんですか?」


営業の佐武さんは部署は違うけど、
よく仕事を回してくれる
お世話になっている先輩。


でも、最近忙しくて案件なかったはずだけど…?


「実はさ、頼みがあ…」


「イヤです。」


お世話にはなってるけど、
佐武さんの"頼み"は毎回毎回面倒くさいので、
断るに限る。


「いや、でも今回マジなんだよ。
今月の営業会議が早まっちまって、
いつも5営業日にもらってる資料、
今日中に出してほしいんだ。」


「え?ムリです‼︎やっと作業終わって、
来週データまとめる予定なんですよ?」


今日中なんて絶対ムリ‼︎
…残業すればなんとかなるけど、今日は…


「そこをなんとか!
あれがないと、他が進まないんだよ。」


「でも、明らかにわたしの残業
見込んで言ってますよね?
営業会議が早まったのは仕方ないですけど、
残業見込みでの依頼なんて…」


「頼むっ‼︎この通り‼︎」


ほんとはわかってる。
佐武さんのせいじゃないし、仕事なんだから、
やらなきゃダメだってコトも。




でも…なんで今日に限って…




今日は…やっと及川さんと…




「…わかりました。」




でも、結局わたしは及川さんより仕事を選んだ。





やっぱり可愛くない…



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