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〜Lemon Candy Story〜

第1章 -勉強-(月島蛍)


-3 days later-


「えっ⁈わざと⁈」


蛍と一緒に新しくできた
駅前のケーキ屋さんに来ていた。


蛍はやっぱりショートケーキ。
わたしはチーズケーキを食べていた。


今までも一緒に出かけてたけど、
ある意味これが初デート…なのかな。


なんて…
ちょっとドキドキしていたのに、
蛍の一言で、口に運ぼうとしたケーキを
お皿に落としてしまう。


「うん。
今までBは確実に取ってたのに、
突然Dなんて取るわけないデショ。
わざとだよ?」


涼しい顔してサラリと言う蛍。


「な…なんで、そんなこと…⁉︎」


「Dなんて取ったら、
親が焦るのわかってたし…
古典なら、すみれちゃんだ!って、
きっとすみれに家庭教師
頼むだろうなって思ったから。」


「そ…それだけで…⁈」


蛍の行動にポカンとしてしまう。


「うん。」


蛍は何事もなかったように、
ショートケーキを一口食べる。


「会いたかったら、連絡くれれば
いつでも会うのに…。」


「……。」


蛍は黙ってわたしを見ていた。


「わざと悪い点数取るなんて…
内申点とかに響いたらどうするの?」


わたしは少し呆れて言った。


「普段Bは取ってるんだよ?
たまにAだって取ってるし。
模試の結果で、しかも古典だけ、
1回D取ったくらいで
下がるわけないデショ?」


「……っ⁈」


蛍のことばにあっけに取られて、
わたしはもう何も言えなかった。


蛍はそんなのどこ吹く風…
涼しい顔して、
またショートケーキを口に運ぶ。


悔しいなぁ…。
いつも蛍に翻弄されてる…。


「もうっ‼︎
じゃあ、コレもらっちゃうから‼︎」


「あ…‼︎」





パクン‼︎‼︎





蛍の反応より1テンポ早く
わたしは蛍のショートケーキの
イチゴをひょいと取って食べた。


「………。」


「ん〜おいしっ♪」


わたしの最終手段。
イチゴを取られた蛍は、
さっきまでの涼しい顔は何処へやら。
じっとわたしを睨んでいた。


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