第1章 -勉強-(月島蛍)
「ちょっ…。蛍⁈
さっきからふざけすぎだよ…。」
「ふざけてないけど?
”わからないコト”は…
なんでも教えてくれるんデショ?」
…っ⁈
「ね?…センセ?」
「け…⁈…っんんっ⁈」
蛍が近づいてきたと思ったら…
わたしはそのまま
蛍にキスをされていた。
「ん…っ…け…蛍っ‼︎」
慌てて蛍から離れようとするけど、
蛍の力は強くて、唇ははなしたものの、
肩は掴まれたままだった。
「蛍⁈どうしたの⁈なんで…⁈」
わたしは今絶対…真っ赤だ。
顔を背けたいけど、
蛍が近すぎて背けても意味がない。
「じゃあ…次の”わからないコト”…」
…っ⁈
「こないだ…家の前に来た人…誰?」
「え…?家の…前?」
「夜…男の人と帰ってきた…」
「あぁ!中学の友だちだよ。」
…?
それと今のキスと何が…?
蛍の意図がわからず、
思わず蛍を見つめてしまう。
「…っ。友だちなの?」
「…うん。なんで?」
「最近、すみれさ…
大人っぽくなりすぎ…」
ツゥ…ッ…
「蛍っ⁈ゃ…っ‼︎」
突然、蛍が人差し指で
わたしの胸をなぞった。
「さっきから…胸…目立つし。
化粧とか…服装とか誘ってるの?」
着ているのはシフォンブラウスと
タイトスカート…。
ミニスカとかじゃない。
「な…何言ってるの⁈
蛍っ‼︎いい加減にしなさい?
ね?どうしたの?今日変だよ?」
「変じゃないよ。」
…っ⁈
突然、蛍がわたしを抱きしめた。
「去年までは…
学校帰りとか会えてたのに…
すみれが大学に行ったら、
ほとんど会えないし…
たまに見かけると思ったら…
急に大人っぽくなるし…
男と帰ってくるし…」
「蛍…」
「すみれを…
誰にも渡したくない。」
…っ⁈
「蛍…?あの…その…」
「…なに?」
「そんなコト言うと…
期待しちゃうよ?」
恐る恐る蛍の顔を覗き見る。
「いいよ。
ボク…すみれのコトが好きだから。」
…チュ。
蛍がもう1度キスをしてくれた。
今度は甘い甘いキスだった。