第42章 -運命-(黒尾鉄朗)
-黒尾side-
やっべ…
なんか色々嬉しすぎる…。
電話してよかった…。
檜原さんの嬉しそうな声が心地良い。
「遅くにごめんな。もう眠いよな?」
まだまだ…ずっと話していたいけど、
さすがにそろそろいい時間だよな。
「いえ。大丈夫です!
ベッドに寝転がってたはいたけど…♪」
「それ、寝てるって言うんじゃね?」
ベッドに寝てるってコトは、
もう風呂も入ったってコト…か?
そうとは限らねぇか。
…ダメだ。
どんどん余計なコトを考えてしまう。
「ずっとスマホ見て起きてたもん!
ずっとやりとりしてたじゃないですか〜!」
眠いからか?
ちょっと子どもっぽい言い方がなんか可愛い。
「そんなこと言ったら、オレがベッ…⁈⁈」
オレ、今何言おうとした⁈
そんなこと言ったら、オレがベッドに入って…
「…?黒尾さん?」
「ん?あぁ…いや…」
「どうしたんですか?今何か言い掛けて…」
「そうだったか?…忘れちった(笑)」
「えー?たった今なのにー?」
あっぶねぇ…変なコト言わなくてよかった‼︎
檜原さんに…言っても大丈夫だろうけど、
今そんな発言をすると、男として…というか、
ただの友だち…取引先の人間止まりに
なってしまう気がする。
「そろそろ切ろうか?」
名残惜しいが、
ボロを出す前に電話を終わらせるほうが
賢明かもしれない。
でも、檜原さんのことばで、
オレの胸はまたドキンと音を立てた。
「なんだか切るの、もったいないな。」
「…っ‼︎⁈」
「あ‼︎ごめんなさい‼︎
黒尾さんもそろそろ寝ますよね?
まだ月曜日なのに遅くまですみません…」
「いや…オレももったいない。」
あぁ…マジで今すぐ抱き締めたい。
ほんと、いつのまに
オレはこんなに夢中になってたんだ…?
「え…?」
「カフェ行くの…今度の土曜日空いてる?」
「…‼︎はい‼︎」
「んじゃ、約束!
それを楽しみに今日は電話切る。」
「はい。
土曜日楽しみに今週仕事頑張ります!」
「あぁ。オレも。じゃあ…」
「「おやすみ……‼︎」」
2人で同時に言って、
思わず2人で笑いながら、
今日は同時に電話を切った。
早く土曜日になんねーかな…。