第42章 -運命-(黒尾鉄朗)
-黒尾side-
”やっぱネコカフェだろ!”
”ハリネズミカフェだよ‼︎”
”じゃあ、間を取ってフクロウカフェ?”
”それ、間なの(笑)?”
”ネコとハリネズミの間ってなんだ?”
運命が味方してくれたあの日、
檜原さんと昼飯食って、
リエーフの店の前を通って、
檜原さんとシュークリームを買った。
職権乱用⁈先輩権限を使って、
ちょっといい顔しちゃったんだけどな。
駅まで檜原さんを送って、
連絡くるか…?と、
珍しくソワソワして落ち着かなかったのだが、
会社に戻ってスマホを見ると、
檜原さんから連絡がきていた。
その日以来、主に仕事終わりの夜が多いが、
オレたちのやりとりは続いている。
今日も仕事終わり、
家に帰って風呂も済ませ、
ビールを飲みながら、
檜原さんとやりとりをしていた。
ただ、仕事が忙しかったのもあり、
なかなか会う約束ができなかった。
でも、ココへきて、いいパスが…。
干支の話→ネコ年がない→ネコカフェが人気…
”カフェ”の話になったのだ。
檜原さんとの出会いもカフェだし…
ピコン♪
”なんだろう⁇”
檜原さんからの返信とともに、
?マークのネコのスタンプが送られてきた。
オレはけっこうはじめの頃から、
敬語が抜けてしまっていたのだが、
最近、檜原さんも
少しずつ敬語が抜けてきていた。
オレ的にはいい傾向。
少しずつ心を開いてくれてる証拠…だよな。
”じゃあ…”
と、すぐ返信を打ち掛けたが、
オレはその画面を閉じて、
連絡先をスクロールした。
出すのはもちろん彼女の名前…
今まで電話はしたコトなかったが…
オレは初めて彼女の名前をタップした。
檜原さんも、
もう仕事は終わったって言ってたし…