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〜Lemon Candy Story〜

第40章 -紳士-(黒尾鉄朗)


「きゃっ…あのっ⁉︎」


黒尾くんの行動は、全然予想してなくて、
わたしはベッドに横になっている黒尾くんに
抱き締められていた。


黒尾くんは何も言わずに
どんどん抱き締める力を強くしていく。




まるで恋人を優しく抱き締めるかのように…。




なんて、一瞬錯覚を起こして、
この甘い雰囲気に飲み込まれてしまいたい…
そう思ってしまうけど、
わたしと黒尾くんは恋人同士ではないし、
わたしのせいとはいえ、このままでは…


「く…黒尾くんっ‼︎
本当にごめんなさいっ‼︎
で、でも…あの…これ以上は…っ‼︎」


必死で離れようとするけど、
黒尾くんの力にはもちろんかなわず…


「檜原さんさ…無防備すぎ…」


「…っ⁈ぁ…っ…えっ⁈」


黒尾くんはわたしを抱き締めたまま、
わたしの首筋に顔を埋めた。


いつもはセットされている黒尾くんの髪が、
今はフワリと柔らかくて、
不覚にもまたドキッとしてしまう。


「まぁ…酔ってオレんち来る時点で、
無防備通り越して、ありえねぇけどさ。」


「…っ⁈」


それについては本当に申し訳なくて
何も言えない。


「檜原さん、いい匂いだし柔らかいし、
オレ、かなり耐えたんスよ?」


今度は耳元で囁かれ、
黒尾くんの息遣いがハッキリ伝わり、
思わずビクンとしてしまう。


「ぁ…ぇっ…⁈」


黒尾くんに顔を見られてないのが
せめてもの救い…
そう思っていたのに気がついたら、
黒尾くんにクルリと身体の位置を変えられ、
わたしは黒尾くんを見上げていて、
真っ赤な顔を黒尾くんに見られていた。


「あんだけ我慢して、
それこそ”紳士”だったんだから…
お詫びっつーか、ご褒美…っつーコトで♪」









…チュ。














ニヤリと微笑んだ黒尾くんは、
そのままわたしのオデコに…






キスを落とした。


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