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〜Lemon Candy Story〜

第40章 -紳士-(黒尾鉄朗)


「……っ⁈」


ウ…ソ…わたし…⁈⁈


頭は真っ白…顔面蒼白…声が出ない。


「檜原さん、意外と激しいんスね♪」


「な…っ⁉︎」


「強引てゆーか♡」


ふぁぁっとまた欠伸をした黒尾くんは、
寝転んだままわたしを見つめてくる。


わ…わたし…黒尾くんと…その…⁈


「激しいんスね…ピンポン。」


「え…?」


「強引なんスね…カーテンくらいで。」


「………???」


黒尾くんのことばの意味がわからず、
ポカンとしていると、
黒尾くんは今日一番の大きなため息をついた。


「はぁぁ。なんもしてないっスよ。」


「…っ⁈ほん…と…?」


「なんかしたのかされたのか、
自分見てわからない?服も着てるだろ?」


黒尾くんに言われるがまま、
自分の服を見る。


たしかに…服は着てる…


「きゃぁぁっ‼︎」


「今度はなんスか⁈」


「スカート‼︎しわくちゃになっちゃった‼︎」


「はぁ?」


「コレ、おニューで気に入ってたのに〜」


「じゃあ、脱がせたほうがよかったのかよ⁈」


「…っ⁉︎」


スカートの皺を少しでも伸ばそうとしている
わたしに黒尾くんがかけたことば…


わたしは固まってしまった。


「よくない…です…」


わたしが答えると黒尾くんは、
ムクッと起き上がり、
わたしに視線を合わせた。


「今回はたまたまオレだったから‼︎
紳士な‼︎オレだったから‼︎
なんもなかったっスけど…
あんなの、服脱がされてナニされても、
文句言えないっスからね?」


「ごめん…なさい…」


黒尾くんの言う通りだ…。
お酒飲んでたからって酷すぎる。


「ほんとに気をつけてくださいよ?」


「は…ぃ…」


返事しかできない自分に自己嫌悪…。


「ほんとにごめんなさい…。
あの…わたし、帰る…ね。」


もう一度頭を下げて、
ベッドから出ようとすると…

…っ⁈


ガシッと横になったままの黒尾くんに
手を掴まれる。


「帰っちゃうの?」


「え…?」


甘えるような声に似合わない
妖艶な表情の黒尾くんに
思わずドキッとしてしまう。



「こんだけ迷惑掛けといて、
お詫びのひとつも無し?」



そう言った黒尾くんは、
わたしの手を掴む力をさらに強くして、
グイッとわたしを自分の胸に引き寄せた。


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