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〜Lemon Candy Story〜

第40章 -紳士-(黒尾鉄朗)


「でも、間取りもおんなじだよ?」


オレに支えられていた檜原さんは、
オレの腕をギュッとしながら、
開いてるドアから、中を覗き込んだ。


…っ‼︎


はぁぁ…かわいいコトすんなって‼︎
子犬でも抱っこしてるみたいな感覚に陥る。


「んじゃ、中見て確かめてみます?」


さすがに中見たら気付くと思い、
そう言うと、檜原さんは、だからウチだって!
と言いながら、慣れたように
オレの部屋に入っていった。



1Kの部屋なので、
そんなに広いわけではないが、
部屋の奥まで行くと、
檜原さんはグルリと部屋を見回して、一言…



「うん‼︎やっぱりわたしの部屋だー‼︎」



「はぁ⁈違うっつってんじゃん‼︎」


いつも挨拶する時は敬語だったけど、
酔っ払って、あまりにも子どもっぽい
…いや、まぁ、若干かわいいけど…
檜原さんに対して、
気がついたら、オレはすっかり素で話していた。


いつもちょーっとだけ、
猫かぶってたんだけどなーー。


つぅか、檜原さんの酔っ払い加減が酷すぎて、
猫かぶるどころじゃねーし‼︎


「だって、このカーテン、ウチのだもん!」


「はぁ⁈」


いや…カーテンだけで判断すんなって‼︎


「ふぁ…もう眠い…」


檜原さんはそこで
スプリングコートを脱ぎ始めた。


「…っ⁈」


たまに家の前で檜原さんに会うときは、
だいたいスーツ姿だったが、
今日は花柄だけど派手すぎないフレアスカートに
白のトップス。


いつものカッチリした印象と違って、
思わずドキッとしてしまう。


「ふぁ…黒尾くん、早く帰りなよ〜?
おやすみ〜。」


「はっ⁈」




”んじゃ、中見て確かめてみます?'”




そう言ったのはたしかにオレだけど、
ヤマシイキモチがあったわけではない…


神に誓って。



でも、檜原さんは、
そんなオレの神への誓いを簡単に
破らせてしまいそうなくらいに無防備に…




オレのベッドで寝てしまった。







さて…




この状況…





オレ…どーする?





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