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〜Lemon Candy Story〜

第39章 -宣言-(大将優)


片付けも終わって荷物をまとめ、
そろそろ帰るのに、
優の姿が見当たらない。


「はぁ…わたし、探してくるね。」


優へのチョコを忍ばせた
バッグを持ったまま、
わたしは優を探した。


音駒…何回か来たコトあるけど、
広いからなぁ…


体育館から離れて、
校舎のほうへ行っても優はいない。


今度は来たのと逆側から、
体育館へ戻ろうとすると、
体育館裏に優の後ろ姿が見えた。


「すぐ…⁈⁈⁈」





ウソ…⁈



優に声を掛けようとしたけど、
思わず息を飲み、声を押し殺す。



優の前には、女のコがいた。



ウチの制服の女のコ…たしか…2年生の…
よく練習や試合を観に来ている可愛いコ…。



あのコが優の…



「あれ?すみれちゃん?なにしてんの?」


突然声を掛けられ、
ビクッとして振り向くと、黒尾くんがいた。


「黒尾くん⁈あ…‼︎えっと…こっち…‼︎」


わたしは黒尾くんの腕を掴んで、
慌ててその場から離れた。


「あれ⁈大将?」


「…⁈シーッ‼︎静かに‼︎」


黒尾くんが優に気づいたけど、
わたしは黒尾くんをさらに引っ張り、
校舎のほうへ行った。


「なぁ…あれって…」


黒尾くんは状況がわかっているはずなのに、
なぜかポカンとしていた。


「ビックリ…だよね。
さっき言ったでしょ?優、本命チョコ、
もらえたみたいだね!」


「へ⁈そーなの⁈」


「うん。あのコ、すごい可愛いでしょ?
2年生ですごく人気あるコなんだよ。
まさか、そんなコが優をね〜」


わたしは一気に黒尾くんに話した。
黙ってしまうと、涙が出てきちゃう…
そう思ったから。


「あいつの本命って…」


「え?」


「いや、なんでもねぇ。
で?すみれちゃんはいーの?」


「わた…し…?」


「そのバッグに入ってんじゃねーの?
本命チョコ…」


「なんで⁈」


「くくっ…さっきからギュッて大事に
バッグ持ちすぎ(笑)」


「…っ⁈」


は…恥ずかしい…。
そんなので、バレちゃうなんて…。


「わたしのは…
優がほしいチョコじゃないし…
優はもう…好きなコから本命チョコ、
もらってた…し…」


失恋したという事実が、
自分で話すことでどんどん胸に突き刺さる。


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