第37章 -好み-(黒尾鉄朗)
「すみれさん、
月島みたいのが好みだったんですね。
好きなんですか?」
「はっ⁈すみれ、どういうコトだよ⁈」
赤葦の発言に反応したのは、
すみれではなく…
オレだった。
「なんで黒尾クンが焦ってんのー?」
アホ木兎がニヤニヤしてるのが、
無性に腹が立つ。
「あ…あの‼︎好きとかじゃなくて‼︎
ほら‼︎その‼︎好みだから‼︎
好きなパーツの話だから‼︎」
「へぇ。そうなんですか?
で、本当に月島が好みなんですか?」
すみれは否定するが、
赤葦はなぜか納得していないようで、
すみれをジッと見ていた。
「そ…そうだよ‼︎
好きな人は別にいるか…」
「なになに⁈誰誰⁈やっぱオレ⁈」
「そ…そんなの言わないよっ‼︎」
「えー⁈なんでだよー⁈」
「な…なんでも‼︎
もう‼︎木兎、うるさい〜っ‼︎」
すみれのことばに逐一反応するのは、
他でもないアホ木兎。
そのアホ木兎のことばに、
テンパって真っ赤になってくるすみれ…
気に食わねぇ…。
「てゆぅことは、オレだろ?やっぱ…」
「はーい。そこまでなー。」
オレはすみれと木兎の間に入り、
すみれを自分へ引き寄せた。
「きゃっ…クロ⁈」
「あー‼︎何やってんだよー?」
「すみれがテンパってんだろーが。」
って、ほんとは、
テンパってんのはオレのほう。
つぅか…我慢できねぇ。
「はぁ…なんつぅか…」
オレはくるっとすみれの後ろに回り、
後ろから抱き締めた。
「ちょっ⁈クロ⁈」
すみれはさっきよりもテンパり、
真っ赤になっているが、
オレが後ろから抱き締めても、
もちろん抵抗しない。
オレはすみれに回している腕を
すみれにギュッと触らせた。
「すみれの好みは、
ほんとはオレだから。」
「ちょっ⁉︎クロっ…⁈」
「腰も触っとく?」
「さ…触らないってば‼︎」
「すみれ、わりぃ。
オレ、やっぱ我慢できねぇわ。」
「え⁈」