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〜Lemon Candy Story〜

第37章 -好み-(黒尾鉄朗)


ただの風呂あがりなのに、
男どもの好奇の眼差しに晒され…
余計になんだかすみれが
やらしく見えてくる。


「風呂あがりっていいよなー!
欲を言うなら、浴衣‼︎」


はぁ…エロ丸出しだろ…


木兎がどんどん話を膨らませていく。


「あぁ。でも、浴衣なら、
風呂あがりじゃなくて、
普通に夏祭りとか着てほしいですね。」


ナイスあかーし!
風呂あがりから話をうまくそらしたな!


「赤葦くん、浴衣好きそー!
で、赤葦くんも浴衣似合いそう!」


「ま、浴衣も好きですけど、
やっぱり女性の浴衣姿といえば、
オレはココのほうが好きですけどね。」


「ぁっ…‼︎赤葦くん⁈」


…‼︎全然ナイスじゃねー‼︎


赤葦のヤローッ‼︎
いきなりすみれの後ろにまわって
すみれの髪を触ってまとめあげ、
すみれのうなじをツーッと触り出した。


「おいっ‼︎あかーし…」


「すみれさん、ゴム持ってます?」


「え?うん。」


赤葦はオレが止めるのも聞かずに、
すみれの腕からゴムを引き抜くと、
器用にすみれの髪をまとめあげた。


「赤葦くん、すごーい!器用‼︎」


「あとは浴衣ですかね。」


「こんなステキな
髪にしてくれるなら、
浴衣でも何でも着ちゃうー♪」


「は⁈すみれ‼︎調子に乗りすぎ‼︎」


オレはすみれの頭に
軽くチョップをお見舞いする。


「やー‼︎クロ‼︎髪崩れちゃう!」


そう言って、
赤葦の後ろに逃げるすみれに、
ついイラっとしてしまう。


「はい‼︎はーい‼︎
なんでもなら、すみれ‼︎
水着だ‼︎ビキニだ‼︎おっぱいだ‼︎」


「「「「は⁈」」」」」


さすがにその場にいた全員が
呆れた顔で木兎を見る。


「バ…バカじゃないの⁈
今のは赤葦くんに言ったわけで…」


さすがのすみれもテンパって
赤くなっている。


つぅか…ビキニって…
オレだってまだ見てねぇぞ‼︎


「へぇ。オレの前でなら、
ビキニ着てくれるんですか?」


おい‼︎
そんなこと言ってねぇだろうが‼︎


さりげにあかーし、
ツッコミどころ多すぎんぞ‼︎


「それもちがーう‼︎
もう‼︎皆して人をからかわないでー!」


すみれは真っ赤になっている。

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