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〜Lemon Candy Story〜

第35章 -相談-(金田一勇太郎)****


「えっ⁈英⁈…イヤっ…」


「国見ぃぃぃぃ‼︎
てめぇ、すみれに何してんだよ⁈」


「勇…くん…?」


わたしがキュッと
目を閉じて固まっていると、
英の唇が触れる寸前、
勇くんが教室に飛び込んできて、
わたしから英を引き離し、
英の胸ぐらを掴んでいた。


「勇くん⁈ダメ‼︎暴力は…‼︎」


「ほらな?大丈夫だろ、すみれ?」


怒って顔が真っ赤の勇くん…
何が何だかわかんなくて、
ポカンとしてるわたし…


そんなわたしたちに対し、
冷静に勇くんの腕を振りほどき、
乱れたワイシャツを直す英…


「国見ぃ‼︎おまえなぁ⁈」


「はぁ…。
本気でするわけないじゃん。
すみれが相談してる時に
金田一が廊下から来んの
見えたからさー。」


「は⁈だから、それがなんだよ⁈」


たんたんと話す英に
まだまだ怒ってる勇くん…


そんな2人をわたしは
ポカンとして見つめるしかなかった。


「すみれが”勇くんはわたしに
飽きちゃったのかなー”とか
言ってたんだよ。」


ワイシャツを整えた英は、
勇くんを諭すようにまぁまぁと
勇くんの肩をポンポンとした。


「だからな?
ごちゃごちゃ説明したり、
話し合うより、こうやって、
オレがキスするふりした時に、
ちゃんと金田一が止めに来る…って、
目に見えるリアルなほうが
わかりやすいだろ?」


「あぁ!たしかに‼︎
今、すごい勇くんの愛を感じた!」


わたしは思わず英のことばに
納得してしまう。


「すみれっ…♡って、すみれ‼︎
オレがすみれに飽きるって何⁈
飽きるわけないじゃん‼︎
そんなふうに思ってたのか⁈」


「だって…呼び出し…」


「おわっ…すみれ‼︎泣くな‼︎
どうしたんだよ〜っ⁈」


勇くんがちょっと怒鳴って言うので、
思わず涙目になってしまう。


「で?金田一、告られたわけ?」


わたしの代わりに
英が大事なことを聞いてくれた。


「は⁈今日は委員会の引き継ぎだけど?」


「え?委員会…?」


「そう。すみれに
言ったつもりだったんだけどなぁ。」


え?聞いたっけ…?あ…えっと…


ごまかしちゃえ♡


「聞いてなーい‼︎」


わたしはちょっとだけ泣きまねをして
勇くんにギュッとした。

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