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〜Lemon Candy Story〜

第33章 -笑顔-(武田一鉄)


ボクは正直にこたえた。


皆に宣言するのは、
ちょっと恥ずかしかったけど、
自分の気持ちに
嘘はつきたくないから。


「「「……っ‼︎」」」


「…だそうですよ?」


「え⁈」


皆が黙っていた中、月島くんが
入口に向かって話しかけたので、
ボクは思わずそちらを振り返る。


「すみれ⁈」


「「「えっ⁈」」」


皆も一斉に振り返ると、
真っ赤になったすみれが、
おずおずと体育館に入ってきた。


「ご…ごめんなさい‼︎
立ち聞きするつもりは
なかったんだけど、
スマホ忘れちゃって…
でも…は…入る
タイミングなくて…あの…」


「い…いつから聞いていたの⁈」


今のことばにもちろん嘘はない。
でも、さすがに少し動揺してしまい、
しどろもどろすみれに聞くと、
すみれは日向くんを指差し、


「あのコが…”そんなドラマみたいな
出会いあるんだな”って
言ってるくらい…から…?」


すみれも恥ずかしいのか、
ごまかすように疑問系で言うが、
お互い恥ずかしくなり、
2人して顔を下に向けてしまった。


「にしても月島、
よくすみれさんがいるの
分かったなぁ。」


菅原くんが月島くんに聞く。


そ…そうだ。
ボクはまったく気付かなかったのに…


「武田先生が話終えたあたりから、
入口のトコ、人の気配があったから。
なかなか入らないで
聞いてるだけってことは、
たぶんすみれさんだな…と。」


「さすがツッキー!
人の気配も感じられるなんて!」


「山口、うるさい。」


「ごめん、ツッキー。」


いや、ボクも山口くんと
同じことを思ってしまった…。


「で?で?これって、プ…
プロポーズみたいなものですよね⁈
すみれさん、返事はっ⁈」


…っ⁈


「「「(日向の奴…デリケートなトコをあっさりと……)」」」


思いもよらぬ
日向くんのことばに、
ボクも皆も固まってしまう。


「あの…わ…わたし…」


その様子を見たからか、
すみれが真っ赤になりながら、
ゆっくり話し始めた。


「わたしも…‼︎
これからの人生の隣には、
一鉄さんにいてほしい!
一緒にいたい!でも…」


そこですみれは顔をあげ、
ジッとボクを見つめてきた。



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