第33章 -笑顔-(武田一鉄)
〜現在〜
「彼女といるといつのまにか
ボクまで笑顔になってしまうんです。
ボクはその笑顔に惚れてしまい…
それから数ヵ月後に、
付き合ってください…って、
ボクから言って、
付き合いだしました。」
「「「……………。」」」
あ…あれ⁈
恥ずかしくて
思わず下を向いていたけど、
誰も何も言わない。
え⁈あ…あれ⁈
うわぁ…あ、あまりにも
全部そのまま話しちゃったから、
もしかして、皆引いちゃった⁈
恐る恐る顔をあげて、
皆を見てみる…。
…え⁈
一部冷静な大人組(縁下くん、
月島くん、清水さん)以外…
皆号泣していた。
「うぉぉぉ‼︎
武ちゃん、かっこいいぜ!」
「おう‼︎
武ちゃんは男の中の男だぜ!」
田中くんが叫べば、
西谷くんも
それに呼応するかのように、
2人で大きな声で騒ぎ出した。
「おい!日向、ボケェ!
鼻水出てるぞ !」
「おまえも出てるじゃねぇか!」
「ほら、2人とも…ティッシュ使え。」
1年生コンビは
まだ涙が止まらないようで、
縁下くんがティッシュを渡している。
「こういう告白してみたいよなぁ。」
「まぁ、ヒゲチョコ旭には、
一生無理だろうなぁ。」
「えぇ⁈大地〜!
そこまで言わなくても…」
東峰くんがポツリと言うと、
すかさず澤村くんがツッコミを入れる。
「でも、先生、マジでかっこいいな!」
「せ…先生っ‼︎す…ステキすぎますっ‼︎」
「谷地さん、大丈夫⁈こ、呼吸が…」
菅原くんと谷地さんが褒めてくれ、
山口くんは谷地さんをフォロー…
皆それぞれの反応で、
でも、誰も引いていないみたいで、
一安心だ…。
「やるなぁ、先生!」
「う…烏飼コーチも頑張ってください!」
「日向、うっせぇよ!
余計なお世話だっ!」
「で?結婚とかはしないんですか?」
「えっ⁈」
日向くんと烏飼くんの話を遮ったのは、
意外にも月島くんだった。
月島くんのことばに、
また皆一斉にボクを見ている。
「そうですね。
今はまだ…
結婚はしようと思わないけど…
でも、これからのボクの人生の中で
ボクの隣には、
すみれにいてほしいし、
ずっとすみれと
一緒にいたいと思ってるよ。」