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〜Lemon Candy Story〜

第33章 -笑顔-(武田一鉄)


「でも、わたしも、
やっと看護師の仕事に
自信が持てるようになってきて、
後輩の指導も任せられたり…
もっともっと勉強したいし、
今…仕事が楽しくて仕方ないの。
だから…結婚はまだ…」


すみれは申し訳なさそうに言うが、
でも、自分の仕事に対して、
誇りを持っていることがよくわかった。


出会った頃と比べたら、
すみれはものすごく成長したなぁ…。


「だと思った。
あれからすみれは、
たくさんの経験を積んで、
毎日大変そうだけど、
生き生きとしてるもんね。
それにボクも、
今はバレー部の皆と
春高目指してるから
まだまだ結婚は先かな。」


ボクがそう言うと
彼女はニッコリ微笑んだ。


ボクの好きなすみれの笑顔。


「あ、でも、
あまりにも結婚が遅くなって、
おばあちゃんになるまでは、
さすがに待てないから…
皆、しっかり頑張って、
春高出て、もちろん優勝してね!」


「「「はいっ!!」」」


すみれのことばに、
皆笑顔で大きな返事をしてくれた。


「よし!じゃあ、武田先生と
すみれさんのためにも、
1回円陣組んどくか!」


「「「おぉっ!!」」」


澤村くんのことばで、皆が円陣を組む。


「すみれさん、はやくっ!」


「え…?」


皆が円陣を組むのを見守っていると、
日向くんがすみれに声を掛けた。


「ほら、武ちゃんも!!」


「えっ⁈」


田中くんにボクまで、
円陣の中に引っ張られた。


「そうだぜぇ!
春高プラス武ちゃんとすみれさんの
結婚の気合も入れるんだからな!
あ!烏飼コーチの
結婚相手も見つかるようにってことで…」


「おいっ!」


西谷くんが烏飼くんも引き入れ、
全員で円陣を組む。


ボクの隣には大好きなすみれ…


「烏野ーーーーっ‼︎ファイッ…」


「「「オオーーーーッ!!!」」」


すみれも大きな声を出し、
とびきりの笑顔だった。


ボクはこの笑顔を、
すみれを守っていきたい。


そうこの円陣に誓った。



---End---


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